News / Topics

最新情報

山ガールが広げるアウトドアライフ

昨年日経ビジネス誌で発表したネット調査による2011年のヒット商品ランキングTOP50(ヒットしたと思う商品の回答者数の多い順でランキング)の上位にランクインした商品内容を見ると、「twitter、i-pad、食べるラー油、プリウス、アルコール0.00%ビール風味飲料、3Dテレビ、スマートフォン」等である。また、この調査の興味深いのは、回答者に2通りの質問している点にある。最初の質問で「あなたがヒットしたと思う商品は何か?」とたずね、次に「ヒットしたと思うと答えた商品の中で実際に購入(体験)したものは何か?」と聞いている。その結果、実際に購入(体験)したものは以外にも上位ランクからではなく、上位圏外にランクインした「・ワールドカップサッカー2010、・竜馬伝(NHK)」の視聴、「・もしも高校野球のマネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」などの単行本の購読が多かった。書籍や、TV番組等、どちらも自宅で手軽に楽しめるものが購入(体験)の上位にいることから見て、相変わらず巣ごもり現象は続いているようにも見える。しかし、アウトドア市場に変化の兆しが見え始めてている。特に自分の足を使ったアウトドア・ライフが盛り上がりを見せ始めており、2011年は自分の足を使ったアウトドア・アクティビティの関連市場の拡大が見込まれる。

まず、都内では皇居外周をはじめ、街中でもジョギングやウォーキングをする人が明らかに増加した。レジャー白書や笹川スポーツ財団の統計を見ても、ジョギング人口は2009年以降上昇トレンドを見せており、推計で2600万人を超えているとの調査結果がある。また、登山用スカート「山スカ」のヒットと相まって、多くの山ガールが登山デビューした。地味なイメージの山登りにファッション性が加わる事で一気にブレイクした。更に、山の頂上にたどり着けば高い達成感を味わえる上、山頂からの絶景を撮影し、自分のブログにアップしたりする等これまでの山登りとは全く違う楽しみも増えている。また、山用品を取り扱うモンベル社の会員数も、昨年は前年比3倍の26万人に達した。加えて女性用ウエアは2010年度前年比200%の伸びを示したそうである。確かに商業ビルテナントにも、登山系のファッションブランドの出店が目立つ。昨年デビューした山ガールに、登山にハマった理由を聞いてみると、「山頂に到達するとこれまでには感じる事ができなかった高揚感を得られ、登頂までの道のりでは、自分との精神的な戦いや肉体的な限界を知る機会になり、自己の内面と向き合う新しい経験に刺激を受けた」といった声が聞こえてくる。心身両面を通じて自分と向きあう経験は日常ではなかなか得られない。これに加え、おしゃれも楽しむことができ、有酸素運動によるダイエット効果も期待できるので女性にとっては魅力的なアウトドア・アクティビティだ。その上、都心から近い高尾山など、手軽に始められる場所もあるので費用も少なくて済むのも見逃せない。

山ガール人口が増加し本格化するのはこれからだ。デビュー前の「山ガール予備軍」や、ファッションとアウトドアの気分を味わってみたいと思っている「なんちゃって山ガール」が第二のうねりとして現れるのは今年だと見ている。特に、山に登るのは面倒だけど、山ガールファッションでアウトドアを楽しみたいという層が増えるのではないか。例えば、自分の足を使ったアウトドア・アクティビティから派生するものとしてすぐに思いつくのは、休日に山ガールファッションで街中を歩いたり、パワースポット探訪を山ガールファッションで行ったりするのは「なんちゃって山ガール」にはうってつけだ。そもそもパワースポットは霊場や聖地と呼ばれる場所にあるので、自然の中を歩くような場所も多い。山頂ではないがパワースポットに到着すればそれなりの達成感も味わえるだろう。このようなムーブメントが起きてくると、都心から日帰りで行ける軽い登山や、森林浴ついでに温泉を楽しめるようなロケーションがあれば、超人気スポットになるだろう。加えてマスコミの注目度も上がってくれば、2011年は山ガール関連市場は活況を呈しヒット商品が生まれる可能性は十分に考えられる。過去、スキー、サーフィン、ゴルフ、テニス、などの市場拡大時は、話題性の高いファッションか、スーパースターの存在が火付け役を演じてきた。山ガールはファッションと共に広がりを見せているので、女性が先行して市場を広げているが、他のアウトドアスポーツ同様、山ガールと一緒に楽しもうという山ボーイも増えることだろう。

さて、山の中腹では春告草が顔をのぞかせている、山ガールの季節到来だ。今年は山ガールに触発されるアウトドア・ライフに注目していきたい。


 

アーリーバード

Contact

お問い合わせ

PMIコンサルティングでは、企業の人と組織を含めた様々な経営課題全般、求人に関してのご相談やお問合わせに対応させていただきます。下記のフォームから、またはお電話にてご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。