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2010.08.02

今、あなたは幸せですか?自分の身の回りにある幸せを見つけよう。

2010年5月27日、日本政府は、経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会で『幸福度』を示す新指数の作成を呼びかけた。今、先進国で『幸福度指数』を作る機運が高まっている。GDP(国内総生産)だけでは計れない国の成長を、どの様に計るかという事に対し、『幸福度指数』という形で表現する事を検討している。
国内では、内閣府が「国民生活選好度調査」(2010年4月27日)を行い、自分がどれだけ幸せと感じているかを数字で示す「幸福度」の調査を行った。15歳から80歳未満の4千人を無作為に選んで実施し、「とても幸せ」(10点)から「とても不幸」(0点)まで11段階で幸福度を質問し、その結果を集計した。回答を寄せた2900人の平均は6.5点(やや幸せ)だった。
また、日本を含む世界各地で行われた約1000件の調査で得られた百万人のデータを再検討した、アメリカの心理学教授、デービット・G・マイヤースらの報告(1996年)によると、世界の約2割の人が「とても幸福」(上記調査の10点相当)と答え、約7割の人が「かなり幸福」(上記調査の8点相当)か、「それ以上」と答えている。世界の人々のうち9割の人が「幸福である」と答えているのだ。
他にも、アメリカの研究組織、ワールド・バリューズ・サーベイは各国の個人を対象に、現在の幸福度を調査し、ランキングした「幸福度ランキング」(2008年に発表)を発表している。幸福度ランキングとは、97カ国の地域を対象に、「あなたは幸せですか?」と質問をし、「幸せです」と答えた人数を調べたものである。その結果、デンマークが世界で1位となった。2位はプエルトリコ、3位はコロンビア。アメリカは16位、イギリスは21位、フランスは37位、そして日本は43位だった。
イギリスのレスター大学の心理学者が発表した「幸福度マップ」(2006年に発表)という調査も行われている。これは、世界178カ国(イラク等の紛争国は除く)を対象に、幸福度に影響を与える要因となる経済状況や医療制度、教育等のデータを分析し、ランキングした幸福度調査で、デンマークが1位を獲得している。次いで2位はスイス、3位はオーストリアで、アメリカは23位、日本は90位だった。
上記結果を見てもわかる様に、日本国民は、他国に比べて幸福をあまり感じていない。国の経済は豊であり、環境的にも恵まれているにも関わらず、なぜ、日本人はそれほど幸福を感じていないのだろうか。

心理学、精神医学の世界で、幸福を感じている人に共通する内的な特徴は4つあると言われている。4つの特徴とは、「自分自身が好き」「主体的に生きているという感覚を持つ」「楽観的」「外向的」であるという事だ。そうだとすると、日本人が他国に比べて幸福を感じていない原因の1つには、上記4つの特徴を持つ人が少ないことが考えられる。

東京都の教育委員会は2008年11 ~12月にかけて、都内の小学生4030人、中学生2855人、高校生5855人を対象に、自尊感情や自己肯定感をテーマにしたアンケートを行った。 調査結果によると、中学生では「自分のことが好きだ」との問いに、「そう思わない」「どちらかというとそう思わない」と否定的に回答した割合が、中1=57%、中2=61%、中3=52%に上り、全学年で「そう思う」「どちらかというとそう思う」と肯定的に答えた割合を上回った。高校生でも否定的な考えが目立ち、高1=56%、高2=53%、高3=47%だった。小学生では、小1の84%が肯定的な回答をしたが、学年が上がるにつれてその割合は低下し、小6では59%となっている。
日本では、小学生から高校生にかけての、半数以上の生徒が自分自身の事を肯定的に(好きであると)捉えていない傾向がある。この年代で自分自身の事を肯定的に捉えていない人が、大人になって急に自分自身の事を肯定的に捉えられるように意識を変える事は難しい。
また、日本では昔から、「自分自身を主張せず、遠慮や配慮をする」という事が美徳とされてきた。そのため、積極的に外部に働きかける「外向的」な振る舞いや、「主体的に生きているという感覚を持つ」というのも得意ではない。
そして、最近では、世の中も不景気になり、様々な事柄を「楽観的」に捉えると言う事が難しくなっている。

では、日本人は、どうすれば、上記4つの特徴(「自分自身が好き」、「主体的に生きているという感覚を持つ」、「楽観的」、「外向的」)を満たす事が出来るだろうか。すべてを習得する事は難しいが、個人個人が、現在の意識、考え方を変える事によって、少しでもその特徴を、自分の中に取り入れる事が出来るならば、幸福を感じることにつながるのではないか。

例えば、「楽観的」に物事を捉えるポイントは、悲観的に物事を捉えそうになった際に、プラスの要素はないか、と、自分に問いかけてみる事だ。同じ物事の捉え方においても、「悲観的」に捉えるより、「楽観的」にとらえた方が人生は楽しく、幸せになる。より具体的に言うと、何か物事を失敗した時に、単純に落ち込むのではなく、「ここで失敗した事によって、次は失敗しなくなる。今失敗しておいて良かった。」と思える様になれる事が望ましい。物事には必ずプラス面とマイナス面が存在する。なるべくそのプラス面を探し、捉える様に意識してみよう。そうすることにより、自分自身が感じる事が出来るプラスの要素(楽観的要素)が、見えてくるはずだ。
また、「外向的」になるためのポイントは、意識して、いつもより少しだけ多くの人と関わりを持つ事だ。例えば、週に1回は必ず自分から周囲の人を誘ってご飯を食べに行くなどの行動を起こしてみよう。そして、関わりを持った人達との会話の輪を広げてみよう。相手と会話をし、相手に対して興味を持つ事で、さらに会話の輪は広がる。人との出会いは新しい発見とたくさんの刺激がある。人から学ぶ事は多い。より多くの人と出会えば出会う程、人との付き合いはうまくなり、「外向的」になることができる。
そして、「主体的に生きているという感覚を持つ」ためのポイントは、周囲の人の意思を理解・尊重し、その上で、自分の意思を相手に伝えることである。人と関わる事により、自分自身とは異なる、相手の意思を理解する事が出来き、合わせて、自分自身の意思が明確化される。それによって、自分自身が意思を持って生きている事を実感する事が出来る。それが、「主体的に生きているという感覚を持つ」と言う事だ。
このように、「外向的」である事と「主体的に生きているという感覚を持つ」事は、相互に関連している。従って、「主体的に生きているという感覚を持つ」為にも、まず「外向的」なマインドを持って行動を実践することが大切なのである。
最後に、「自分自身を好き」になるために最も必要な事は、「ありのままの自分自身を認めてあげる」事だ。まず、自分自身を、非難するのではなく、肯定的に捉える努力をしてみよう。前述した「楽観的」特徴と似ているが、自分自身についても、マイナス面ばかりを捉えるのではなく、常にプラス面も探す事を意識する。そして、自分自身のプラス面を見つける事が出来たならば、ありのままの自分でも、認める事が出来る様になるはずだ。自分自身を認める事が出来る様になると、少しずつ「自分自身を好き」になる事が出来るはずである。
上記の様に多くの日本人が意識、考え方を変える事によって、今と同じ環境にあっても、幸福を感じる事につながると考える。

今幸福である人は、その幸福が継続する事を願うであろうし、今幸福でない人は、幸福になれる事を望むであろう。つまり、人は常に幸福を求めるものなのだ。
本来、自分自身の回りには「幸福」を感じる機会がたくさん存在する。しかし、自分の意識や、考え方が障壁となり、その「幸福」を感じる機会を自ら逃しているのであれば、それは、とても悲しい事である。まず、自分自身の意識、考え方を変える事によって、他愛のない日々の生活から「幸福」を感じて欲しい。そうする事で、あなたの生活は、今よりも満ち足りたものになるのであろう。小さな「幸福」を積み重ねていく事で、今の「幸福」は継続し、さらに、今までは感じられなかった「幸福」を感じる事が出来るだろう。
日本の人々が、少しでも「幸福」と感じられる日々を送る事を、心より願う。


 

キヨラ

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