PMI Consulting Co.,ltd.
scroll down ▼

2007.11.26

『秘伝すごい会議』に備えて

 何故「会議」が問題になるのか?「会議」が役に立たず、"無駄な時間の浪費"と言われるのは何故か?それに答えるためには、我々は本当に会議とは何かと言う事を正しく理解しているのかという事について論じなくてはならない。会議の本質やその利便、必要性が判らないで、あるいは会議の目的や方法などの、本当のあり方を知らないで、ただ上手くいかない、効果がない、時間の無駄だと決めつけていないか。この大橋氏、雨宮氏の著作『秘伝すごい会議』が、会議の秘伝を解き、企業のみならず広く教育界、病院、役所が効率よく仕事を進め、その機能の水準を向上させてくれることを大いに期待したい。

 会議は単なる意思疎通、情報交換、指示伝達、教育の手段ではない。実は企業や諸団体の機能組織そのものなのである。
 組織と言うと事業達成手段としての分業の単位、判りやすく言えば、事業部、本部、部室課の事だ。確かに業務活動や事業推進は、この組織部門で行われているが、事業経営はいつも決った手順通りには遂行出来るわけではない。分掌の立割りを超えた事象や異例事項はしばしば発生することだし、部室課の分掌の範囲では解決出来ない大きな経営課題もある。これを解決処理するのは単体組織では無理で、別の臨時組織(分掌部門でない編成)で実行しなければならない。
 そう考えると会議は会議体という事業体組織と捉える事ができ、それは流動的、変動的、機動的で、かつ臨時的、短期的で極めて目的的な機能を持つものと言える。具体的には、委員会のように専門実務課題の決定審議の為に、その判断能力(審議能力)の保有者を各部門から参加させる会議体組織である。生産調整委員会、開発テーマ選定委員会、懲罰委員会、安全競争評価委員会などが典型であろう。
 また、社内プロジェクトチームも会議体組織という性格を持っている。プロジェクトチームはその目的によって、同一部門内(この場合は同種の専門スキル)に該当能力者を編成して、その課題完成を実行させるか、関連分野(部門中の該当能力者)を選抜して部門外にチーム編成して課題完成の効率化を図る形態があるが、何れも目的を達成すれば解散する組織であることがその理由である。

 さて、会議も組織の機能の1つである。会議は"ただ集って話合うという場"と言うだけの存在ではない。しかし、その実態は、「何の為に集ったのか判らない」、「やたらに会議ばかりで時間を取られる」、「こんな事は会議をするまでも無く電話で済む、時間の無駄だ」と言う不満や苦情の種になっている。
 その原因は会議の目的、趣旨と事前通知にあることは明確だ。ある企業の工場長は、事業部が3系統あって総て製品も取引先も流通も異なり、その間の調整に上手く会議を活用していた。彼の業務で個々に解決調整しようとすれば、恐らく10倍以上の時間と労力がかかり、不能の事案も発生しただろう。そこで生産調整会議として各事業部の決定権をもつキーマンと製造部長と生産管理部長をメンバーとして、飛び込み品を含めて生産工程の順序の調整を一気に解決するなど、他にも品質規格会議、物流調整会議、資材調整会議等々、総て工場長業務とイコールに成るよう会議を目的的に活用していた。
 要するに会議は、『目的によって使い分けする事と、参加メンバーを会議の目的に必要な者のみに限定する事、必要最低限の人員にする事が基本である。そして必ず議題と会議の招集目的を事前に参加者に通知しておくが不可欠だ』。会議はその目的によって、情報交換、情報共有、通達の徹底を必要とする事項の伝達、組織強化=コミュニケーション作り、教育訓練、指示命令の徹底、審議=原案の審議決定等などを明確に区分して実施すれば、退屈とか時間の無駄とか現状の問題意識は払色される。つまり、参加者にとつて意義とメリットの有無が、会議成功を左右する鍵である。
 願わくは企業、公共団体、学校、病院の総務人事部門から、『すごい会議』の『秘伝』に熟達して、各団体の機能革新に寄与されんことを望んで止まない。

TRANSLATOR

Recruit

採用情報

お客様と共に成長し続ける新しい仲間を求めています

Contact

お問い合わせ