販売チャネルの多様化を背景に急成長した同社は、現場で成果を出した人材をマネージャーとして登用するスタイルで組織を運営していた。そのようにして登用されたマネージャーは、自ら「プレイヤー」として活動することを好み、業績を作りだすことだけに注力する傾向があった。また、過去マネージャーとして育成プログラムを受けてこなかったこともあり、部下の育成も含めたマネジメントが自己流で行われるなどの問題点も抱えていた。
結果、社員の間には、マネージャー層のマネジメントに対する不信や不満が生じ、モチベーションの低下や有能人材が流出するなど悪循環を引き起こしていた。
PMIでは、マネージャー層の課題点や育成ポイントがどこにあるのかを明らかにするためにインタビューや業務調査を実施し、洞察・分析を重ねた。
その結果、彼らがマネジメントに対する積極性を失っていたのは、マネージャー自身がこれまで高い業績を上げてきたという自負心やエリート意識がある一方で、マネージャーとしての未熟さや劣等感などを抱えていたことに、起因していることが明らかになった。
PMIは、同社の事業拡大に向けて必要となるマネジメント・スキルを明らかにしたうえで、特に改善が急がれた人材マネジメントのスキル強化に向けた育成プログラムを策定し、各マネージャーが自らが果たすべき役割を理解しながら、現場でOJT・Off-JTも含めて人材マネジメントの改善を図りうるプログラムを展開した。
また、事業拡大のスピードを考慮したうえで、次期マネージャー候補の育成にも着目し、着任までに必要なマネジメント・スキルを具備しながら、求められる役割を標準遂行できるような実践型育成プログラムも並行して実施した。
マネージャー層が潜在的に抱えていた心理的状況も含めたアプローチは、同社のマネージャー層に対して、新たな気づきを与え、マネジメントスタイルの変革を促すきっかけとなった。
現在、新たなマネジメントが実践されている現場も活性化しながら、次世代を担うに値する人材が育ちはじめている。
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