これまで、通信販売の業界においてフォロアーのポジションにいた同社だったが、類まれにみる超ヒット商品の誕生により、急速に売上を拡大していた。しかし、突然のヒット商品の出現は、同社の対応力の許容量を超える業務を発生させ、今まで見えてこなかった各種問題が表面化する結果となった。特に、これまでは「如何に電話をかけてきた顧客を取りこぼさずに注文を頂くか」という観点でしか行っていなかった受注センターのオペレーター教育は急務であった。
顧客は、TVCMをみて、受注センターへ電話してくることで、初めて同社との直接的な接点を持つ。TVCMはコーポレートブランドや、各種のプロダクトブランドを意識し制作されていたが、この受注センターは教育が十分になされていないオペレーターが対応していたことでサービス品質にバラツキがみられており、個々の人の対応力によって、顧客の満足度は、大きく異なっている状態にあった。
PMIでは、このオペレーターの応答レベルを底上げし、顧客の満足度を向上させるためには、オペレーター個々人の育成や情報共有の各機能をより一層強化することにより人材育成と個々人のナレッジを有機的に結び付け、組織の自浄作用を効果的に促進するためのマネジメントサイクルの構築が必要だと考えた。 特に、チェック機能を強化し、改善に繋げることこそが、『人の気付き』を誘発し、自浄作用を効果的に促進するキーファクターであるという点に着目し、以下の改革を実行した。
・客観性・公平性を持った”応答スキルの判断基準の見直し“
・組織知の蓄積するための”応答ログ情報共有DBの導入”
・組織知へのアクセスを可能にする”業務プロセスの再設計“
それらの取り組みの結果、同社では、オペレーター個々人や組織単位での強み、弱みを定量的に把握することが可能となった。さらに、その結果によって、育成担当者の具体的改善アクションを喚起し、顧客サービスレベルの底上げを実現し、継続的に改善し続けている。
顧客サービスの徹底した追求という意識を現場の末端まで浸透させた点も、当プロジェクトの大きな成果と言えるだろう。
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