PMI Consulting Co.,ltd.
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2020.05.25

「ニューノーマルな時代のスキル磨き」

 

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、既に第2波、第3波を警戒する声が高まっている。
新型コロナウイルスによる新たな世界や常識への構造的な変化はもはや不可避であり、
我々人類は、Withコロナのニューノーマルな時代に突入し、ある意味強制的な変化を強いられている。

 例えば、時間の活用方法は大きく変化した。緊急事態宣言により、一気にテレワークが普及し、
在宅勤務の増加に伴い、通勤時間や外出時間が減った。
周囲を見渡すと、浮いた時間を自己向上に役立てようと、能動的な時間活用をする者もいれば、
ネットフリックスやYouTubeなどの動画にはまる
受動的な生活を送っている者もいる。  

 さて、アイネット証券の20代~50代男性を対象に実施したコロナ禍“おうち時間の活用方法”に関する調査結果(*)によると、空いた時間をスキル向上に取り組んでいる者が多いそうだ。“仕事に活かせたり知見を広げたりするための勉強(37.7%)”と回答した人が最も多く、次いで“資産運用のための情報収集(25.8%)”、“資格取得のための勉強(14.5%)”、“語学学習(5.8%)”であるという。
結果を踏まえると、この機会を活用して自身の価値を高めようとする人は多く、今までと同じ過ごし方をしている人とのスキル差はこれまで以上に拡大する可能性がある。

 また、“転職と副業のかけ算”の著者でありサラリーマンにして年収1億円を超すmoto氏によると、
「リモートワークが進むと、仕事は“与えられるものだ”と思っている者と“仕事は創り出すものだ”と考える人の差が明確に表れる。
仕事を前に進めるためのアウトプットで評価がされるため、前者の考え方をしている人にとっては厳しい状況になる。」という。


 このように、ニューノーマルな時代に突入した今だからこそ、個人の時間の活用方法や考え方の差が、
スキル差の拡大に大きくつながると言えそうだ。
しかし、やみくもにスキルを向上させても自身の市場価値が上がるわけではない。
moto氏はこうも言っている。「今の仕事において、自分がどんな価値を提供しているかを意識し、
自分が何をしたら他人にお金を払ってもらえるのかという視点を持つと自身の進む方向性が見える」。


 結論から言えば、自身の市場価値を上げるためには、どんな世界でも社会から必要とされる人材であり続けることを念頭に、
戦略的にスキルを磨くことが重要だ。ここで、自身の市場価値の向上を戦略的に行うために、フレームワークで整理した。

 ①:「既存の保有スキル」×「既存の業務領域(自社)」
    → ①では、現在担当している仕事の効率化に役立つ。換言すると、仕事のスピードを上げる
      ことに役立つので、時間当たりの生産性を上げる場合は、ここを意識してスキルアップを
      するとよい。例えば、エクセルのスキルアップを図り、仕事の時間を短縮することが当て
      はまる。

 ②:「既存の保有スキル」×「新規の業務領域」
    → ②では、自身の保有スキルの深堀や進化に役立つ。換言すると、自身のスキルを異業種で
      活かしながら専門性を確立する場合は、ここを意識してスキルアップをするとよい。
      また、専門性の確立により自身のアイデンティティの明確化につながるため、市場価値向
      上の期待インパクトは①よりも大きくなると想定する。例えば、調査会社でデータ分析を
      行っていた者が、スポーツの戦術解析やフィードバックサービスを行い、データ分析スキ
      ルの高度な専門性を確立することが当てはまる。


 ③:「新規のスキル」×「既存の業務領域(自社)」
    → ③では、現在担当している仕事の大きな改善に役立つ。換言すると、既存の仕事を新たな
      視点で捉えなおし、社内の持続的なイノベーションを起こす場合は、ここを意識してスキ
      ルアップをするとよい。成果次第では出世にもつながり、市場価値向上の期待インパクト
      は①よりも大きいと想定する。例えば、エンジニアがAIのプログラミング語“Python”を
      学び、AIにより既存業務を組み立てなおすことが当てはまる。


   ④:「新規のスキル」×「新規の業務領域」
    → ④では、自身の市場価値向上に役立つかどうかを誰も予想することができない。
      そもそもここは“セレンディピティ”の特性があると考える。“セレンディピティ”とは
      “思わぬものを偶然見つける才能“と言われるが、思いがけない”セレンディピティ“により
      自身の市場価値を大きく向上することもあれば、そうでないこともある。
      1つ言えることは、④は、①、②、③を取り組んだ延長線上において発生するもので
      あり、”セレンディピティ“を楽しみながら手探りでスキルアップをし続けた結果、
      行き着く世界だ。

 

 このような考え方でスキルを磨いていくことに加えて、自身の市場価値を高めるには、
世の中においてニーズの高いスキルや仕事にどんなものがあるかを知る必要がある。
クラウドソーシングやスキルシェアサービスなどを実際に見てみることで、
自身のスキルやこれから身に着けようとしているスキルをどう活かすのかを考えてみることも重要だ。

 

 また、自身の今後の方向性を固めるために、プロのコーチングを受けてみて、
自身が気付いていない強みや自身のスキルを活かせる領域についてアドバイスを受けることも
参考になる。実際に、コーチングを受けて副業の方向性が見えたという者もいる。

 

 ところで、自身の市場価値向上には本質があることを忘れてはならない。
どんな成功者も成功のプロセスには幾多の失敗がある。
彼らは、自身が社会に提供する価値を高めようと地道な努力を続けており、
必ず戦略性を持って臨んでいる。やみくもな根性論だけで歩んできた者はいない。

 

 現パナソニックの創業者である故松下幸之助は、週休2日制をいち早く導入したことで
知られている。松下幸之助は、「2日間の休みを無為に過ごすのではなく、心身ともに自らの向上を
図る適当な方法を考えて実行してほしい」と言い、導入した背景は、“一日休養・一日教養”のためだと喝破する。
これは、「時間ができたからこそ自身の社会への提供価値を高めることにつなげてほしい」という松下幸之助からの時空を超えたメッセージだ。
週休3日制になろうと、ビジネスパーソンは空いた時間の過ごし方によって差がつく。本質は、時を経ても変わらない。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大によってもたらされた時間を有効活用して、
社会に求められる自身の本質的な価値を意識しながら戦略的にスキルを磨くことにより、
自身の市場価値向上につなげる準備をしてみてはどうだろうか。
ニューノーマルな時代では、前向きな気持ちになれて、新しい自分に出会えるポジティブな
世界であってほしい。そう強く願う。

                                                                     R2D2

(参照)

* 【おうち時間は何してる?】新型コロナウイルスの影響で、時間に余裕ができた人が始めて
   いる"賢い時間の使い方"はコレ!(株)アイネット証券2020年4月23日

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