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さぁ、選挙に行こう

 「麻生太郎です。私は、本日、衆議院を解散して、国民の皆様に真意を問う決意を致しました。日本を守り、国民の暮らしを守るのは、どちらの政党か、どの政党か、政治の責任を明らかにするためであります。」
09年7月21日、第45回衆議院議員総選挙戦の幕開けだ。8月18日に公示、来たる8月30日の投票日に向けて、立候補者・政党の熱いプロモーション活動が各地で繰り広げられることになるが、我々は一体、彼ら・彼女らの何をどう見て一票を決めれば良いのだろうか。


 近年の街頭演説やテレビでのインタビューを見聞きしていると、よく思うことがある。結局、政治家の諸先生方は、日本の何が本質的な問題だと考えているのかが見えない、ということである。

「今こそ、政権交代が必要だ。」「いや、△△党には、政権運営能力がない。」
「●●党には任せられない。日本を変えられるのは我々、××党だ。」

 上記のような議論には、疑問を感じる。一般企業であれば、本来あるべき姿はどうか、なぜそうあるべきなのか、それと比較して現状はどうなのか、さらにそうなってしまっている本質的な原因は何なのか、それを解決するための課題は何なのか、…など、そこに集う誰もが分かり易く納得のいく構成で、順序立てた説明が求められる。ビジネスパーソンであれば、基礎中の基礎のはずなのだが、それが出来ていない政治家が多い。国政に関与する・あるいは、これから国政に関与しようとしているのであれば、国民に対して分かるように、まずは、自分が日本の何を本質的な問題と捉えているのか(以後、「問題意識」と言う)を、きちんと説明し、納得を得て欲しいものだと切に感じる。それなくして、政策ばかりをメッセージされても聞き手としては、理解もできなければ、納得もできない。メッセージが、他党の批判であれば、なおさらだ。


 そして、特に選挙が近い今、選ぶ側に立つ我々も、政策だけでなく、立候補者の持つ「問題意識」にもっとこだわるべきだと考える。なぜならば、我々が、その候補者の持つ「問題意識」に着目することで、政治家としてのモノの捉え方、考え方を見抜く重要なヒントを手にすることができるからである。それを見て、でき得る限りこれからの日本を良くしてくれる可能性の高い立候補者を国会に送り込みたい。


 「問題意識」は人によって千差万別で、また、その時々によっても様々である。「問題意識」は、その人の視野の広さ、時代感覚、庶民感覚、先を見通す力、本質を見極める力などの表れであり、まさに、その人の政治センスを、そこに見ることができる。しかし、現代は、政党政治の時代である。政党毎にその看板で作られたマニフェストにより、そこに所属する政治家の持っている「問題意識」が見え辛くなってしまっている。見て聞いて、考えて自分の考えを持たなくとも、マニフェストにぶら下がれば、それなりのパフォーマンスができてしまうのだ。さらに、街頭やニュースに登場する政治家の声に耳を傾けると、先に挙げたように「問題意識」を他党批判にすり替え、ごまかしていることが非常に多いのに気付かされるだろう。政治を行うのは、政党でなく人である政治家にもかかわらず、ますます、個の政治家が見え辛くなっているという点で、我々国民も8月30日までに、立候補者を検証的に見る目を養わねばならないだろう。また、そのためには、政治家が変わるのを何もしないで待つというのではなく、我々個々人が、しっかりと評価のクライテリア(判断要素)を持った上で、情報のアンテナを高くもち、自らの意思で一票を投じられるようになる必要である。幸い、近年は、メディアも多種多様である。テレビは勿論、立候補者のブログ、Twitterなどを覗けば、政治家の日々の活動や意見などが、upされており、その人ならではのものの捉え方・考え方を感じ取ることができる。我々は、家にいながら、あるいは、街を歩きながら、携帯電話を片手にそれらを閲覧することができるし、本人との意見交換までも行うことができる時代になっており、活用しない手はない。


 もう一つ、立候補者を検証的に見ると言う点で、大切だと考えることがある。それは、その候補者の「過去の実績」である。過去に自らの「問題意識」を起点に、何かを変えた経験があるのかという点で、政治家として、これからの日本に変化を起こせる可能性を事前に検証するということである。それにより、単にプロモーション上手なだけの立候補者を事前に排除することができる。国会中継で居眠りしている姿をさらす政治家よりも、真剣に、そして真摯な姿勢で行動する政治家を我々が、見極めなければならないということである。


 さて、これまで、選挙立候補者を含め政治家に対する評価の視点について考えてきたが、8月30日にはあなた自身が、投票という具体的な行動により国政に関与することになる。よく、選挙が終わってから、「あなたは選挙に行ったのか」と問われると、途端に言葉を濁す人も多い。是非、そうならないようにしていただきたい。


 近年の日本における衆議院議員総選挙の投票率を見てみると、前回の第44回においては、59.86% から67.51% と7.65%の上昇率が話題にはなったものの、長期的トレンドは、右肩下がりという状態であり、国民の政治離れを如実に示している。「誰を選んでも同じ」、「選びたい人がいないから」と、投票には行かなかったという声がニュースの街頭インタビューなどで聞こえてくることが多い。「政治に対する諦め」とも思える発言だが、そこには「政治への無関心」という顔も見え隠れしている。立候補者の掲げる政策だけではなく、先に述べた「問題意識」「過去の実績」、その他あなた自身が重要だと考える要素にも、着目し、比較すれば、「是非この人に」とまではならないまでも、「今回は、この人に」という意思を持った選択ができるようになるはずだ。


 今回の選挙をきっかけに、少しの隙間時間を政治について考える時間にあててみてほしい。情報を収集し、疑問を感じる、あるいは疑問を他者にぶつけ、一票を投じる先を真剣に考えてほしい。それは、8月30日の選挙のためではなく、もっと長い目であなた自身やあなたの大切な人のためになることだろう。
 

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